推薦メッセージ | 英国よもやま話

英国よもやま話

6年ほど前からイギリス南部に生息中のCheshireねこ」さんから「英国よもやま話」をお届けしております。

ミンスパイ(Mince Pie)  (2012/12/24)

11月辺りからヨーロッパ特有の灰色に重く垂れ込めた雲に覆われる英国の冬だが、師走の声を聞く頃から俄かに活気づく。年に一度の大イベント、クリスマスの準備開始である。屋内外のクリスマスデコレーション(窓磨きから始める家もあり)やカード書き、プレゼントのショッピングリストに当日の料理計画などなど。1年の締め括りとあってか、長引く不景気など忘れたような勢いである。

ところで英国の伝統的なクリスマスケーキと言えば、日本のケーキとは似ても似つかぬMincemeatと呼ばれるアルコール漬けのドライフルーツがぎっしりと詰まったドーム型のPudding(プディング)である。これをクリスマスの当日、温めた上にブランディーバターなどをかけて食す(頭痛がする程?の甘さ)。

Mincemeat(ひき肉)とは妙なネーミングだが、やはりクリスマスの時期、定番のスイーツにMince pie(ミンスパイ)がある。本来は幼いキリストが眠るゆりかごを模して作ったと言われる楕円形の一口大のパイでその名の通りひき肉が入っていたのだが、日持ちするよう香辛料や糖分(当時高価だった砂糖の代わりにドライフルーツ)が加えられ、次第にひき肉が省かれるようになり、いつの間にかスイーツの仲間入りをしたらしい。今ではクリスマスプディング同様こってり甘いmincemeatをshort crust(ショートクラスト)と呼ばれる生地で丸く包み、焼いたものが一般的で、やはり温めて紅茶やホットワインと一緒に楽しむ。

他国の料理と比べて大雑把と言うか、素材の味を優先したデリケートな(?)味付けが好みと思われる英国だが、ことスイーツに関しては、Sweet Tooth(甘党)の王道を行く国かと思われる。

Wishing you a very merry Christmas!

ロンドン・オリンピック  (2012/9/5)

ロンドンをはじめ、英国各地で世界各国からの一流選手によって熱戦が繰り広げられたオリンピックも無事終了。数週間にわたるスポーツの祭典に日本でも大いに盛り上がったことだろう。逐一報道された競技内容に改めて触れる必要もないと思うので今回は、そのOpening Ceremony(開会式)に遡ってひと言。

映画監督ダニー・ボイル演出による英国史をテーマとして007やMary Poppins、Mr Beenといった世界的にお馴染みのキャラクターも多数登場。歌と踊りが満載のperformanceの中、数十人のsister(看護婦)とベッドの上の子どもたちによって表現されたNHSは、日本ではあまり馴染みがなかったのでは?と思う。

NHSとはNational Health Service(国民保健医療サービス)の略称で日本の国民健康保険制度のようなものである。いち早く保険制度を確立、福祉国家の先駆けを自認する英国が世界に誇る公共サービスではあるが、残念ながら近年の国民による評価は余り芳しいものではない。

英国では病気や怪我による治療が必要な場合、救急以外は先ず登録してある地域のGP:General Practitioner(一般開業医)に診断を仰ぐ。そのための予約に1週間程度は待たされる。特別な検査や治療が必要となった場合、GPを通して専門医(specialist)に連絡が行き、次の予約となる訳だが、そこでも2,3週間から1ヶ月待ちが当然となっている。これらの費用は基本的に無料とは言え、いかなる病も早期発見、早期治療が理想であることに変わりはない。健康に不安を抱えての毎日は誰もが避けたいところだが、長引く景気低迷の中、経費削減を理由に以前から必要が求められている時間の短縮や職員の充実などに改善の兆しが殆ど認められないのが実情である。

7年という準備期間と予算の3倍を上回る資金投資の結果であるオリンピックが本当に開催国に経済効果をもたらすと言うなら、その恩恵をぜひこの様な点に生かし、福祉国家の面目躍如に務めてもらいたいものである。

英国国旗

エリザベス女王在位60年を祝うDiamond Jubileeに湧いた英国の6月、町の至る所で日本でもお馴染みの英国国旗Union Jack(ユニオン=ジャック)が翻っていた。しかしながら英国でこの様な光景が見られるのは実に珍しいことである。

そもそもユニオン=ジャックはUnited Kingdom (連合王国)の表象旗であり

英国を構成する非独立国EnglandのSt George’s Cross(白地に赤い十字)

ScotlandのSt.Andrew’s Cross(青地に白い斜め十字)、

North IrelandのSt.Patrick’s Cross(白地に赤い斜め十字)

この3カ国のCrossを組み合わせたデザインとなっている。

ちなみにもう1つの独立国であるWalesは13世紀末、すでにEnglandと国権の一体化が進んでいた為、その国旗が仲間入りすることはなかった。

英国人それぞれが自国に誇りを持ち、競争心も根強いことから通常スポーツの試合や地域の式典などでは各旗が翻ることになる。とは言うものの、昨年のウィリアム王子婚礼の儀を皮切りにDiamond Jubilee、オリンピックと続く今年に限っては全国的にユニオン=ジャックが大人気のようである。

不況に強い(?)英国Charity Shop

日本同様なかなか景気回復の兆しが見られぬ英国では、この数年High Streetと呼ばれ、どこの町にもある目抜き通りの様子が変わってきている。昔からの個人経営店が軒並み潰れていく中、大型チェーン店と共に数を増やしているのがCharity Shopである。

古くから慈善活動が盛んな英国では時々、各家庭の郵便受けに様々な慈善団体の名入りの大きなビニール袋が投げ込まれる。要らなくなった衣類や調度品、子供のおもちゃなど入れて玄関先に出しておくと、ボランティアの人たちが収集、仕分けをして各団体が経営するCharity shipで販売するという仕組みになっている。

台所事情の厳しい昨今、必要な物が手ごろな値段で手に入る上、慈善活動に参加することにもなることから利用者の数は増える一方である。日用品だけでなく、年々貴重品(?)となりつつあるMade in Englandの骨董品や絶版となった希少本など掘り出し物にめぐり合えるチャンスもあり、買い物ついでに覗いてみるのも一興である。

英国的スナック

ファーストフードの代名詞的存在マクドナルドは、もちろん英国の津々浦々に存在するが、この国の伝統的ファーストフードと言えば、やはりFish & Chipsだろう。

日本的な呼び方をすれば、白身魚の天ぷらとジャガイモのから揚げと言ったところだが、特にFrench FryやFried Potatoとしてお馴染みのこのジャガイモ料理、英国ではChipsと呼ばれ、地方によってはChip Shopと呼ばれる専門店(?)まで存在。味付けはどこもSalt & Vinegarと実にシンプルだが、根強い人気がある。

ちなみに日本でスナック菓子として人気のポテトチップは、Crispと呼ばれている。共にジャガイモ好き英国人の代表的スナックでこれからの季節は、海辺でのランチにFish & Chips、パブでビールのお供にCrispというのが定番のようである。

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